2013年6月7日金曜日

iOS7で今後数年のAppleが見えるはず

iPhoneが発売されて以降、iOS6に至るまで現在のデザインが発展する形で引き継がれてきました。このデザインがiOS7で大幅に変更されることはほぼ規定事実となっています。

デザインが変更されることはOSの思想や方向性も修正されるということに繋がります。「たかがデザイン」という人もいるかもしれませんが、デザインはOSの根本的なものの一つです。その一つが変更されることは非常に重要なことです。

「無駄な装飾や効果を排除しする」というフラットデザインの思想はより実用性を重視したものです。またデザインがシンプルになるため、構図や色彩の重要度が増す特徴を持っています。さらに言えば、形と色で表現することが多くなり言語を超えた汎用性を獲得するかもしれません。

このようなフラットデザインは、おそらくiOS7以降、少なくとも数年間は使われるでしょう。この期間のAppleはフラットデザインという思想の下で製品のコンセプトを定義していくのではないでしょうか。

ちなみに建築の世界では100年前にこの動きがありました。無駄な装飾を排除し、機能と合理性を追求したモダニズム建築が一世を風靡し、世界各地にシンプルで美しい建築物が大量に建設されました。その後、モダニズム建築への反動があり、さらにその反動があり、さらにその先に発展して現在に至っています。

取り壊された東京中央郵便局も
モダニズム建築の代表作です(2007年撮影)
デザインの世界は振り子のように振れながら発展していくのでしょう。しかし時代と振れたデザインが同期すれば、振れ幅は非常に大きくなります。今回のiOS7はどのくらい振れるか、楽しみです。