2016年3月22日火曜日

AppleはなぜiPhone SEを49,800円で売らないのか

今日発表されたiPhone SEは高性能とコンパクトさを兼ね備えたバランスの良い機種だと思います。しかしその価格設定についてはTwietterなどでも疑問が多く出ています。

1ドル132円換算で52,800円



iPhone SEの価格は16GBで52,800円64GBで64,800円となっています。米国での販売価格は399ドル(約44,800円)、499ドル(約56,000円)であり、日本での価格と小さくない開きがあります。

8,000円以上の差がついていますが、なぜこうなったのでしょうか。iPadの価格が1ドル111円で計算して設定されているため、今後為替相場が円安へと振れることをAppleが織り込んだとは思えません。

安売りはしない、安モノは売らない


僕はAppleが安売りをしないと強い意志を持って日本での価格を決めたと考えます。逆説的ですが、価格はブランドイメージに直結します。もしiPhone SEの価格が49,800円に設定されたとします。5万円を切る価格を見たメディアは「安い!」を前面に押し出した記事を書くでしょう。決して性能的に安売りされるような機種ではないにも関わらずです。


そしてユーザーも安さに注目してiPhone SEを買うことになり、iPhoneは安いとのイメージが定着する恐れがあります。過去には安いiPhoneと認識されて販売が低迷した機種もありました。さらに言えば半年後にはiPhone7が10万円くらいの価格で販売されます。その価格を見たとき、「iPhone SEが2台買える、高いなー」と思われてはいけません。

そうした事情を考慮し、Appleは戦略的に日本での価格を高めに設定したと考えます。特に日本は消費環境が悪く、一度安値を覚えると、そのイメージからなかなか脱しきれません。他の国でも米国より高い設定のようですが、日本であまり安く売ると通常のiPhoneが割高に見えてしまうことをAppleが危惧したと考えます。