政府が介入するたびに歪む市場
「携帯電話の端末実質0円の廃止」、「5,000円以下のプランの設定」、「長期ユーザーの優遇」と総務省が介入する形で携帯電話料金の改定が相次ぎました。しかしどれを取っても中途半端で本当にユーザーのためになっている施策があるのかは疑問です。
政府からの要請で作られる料金プランは消費者不在で作られ、キャリア側はどこまでなら監督官庁が怒らないかを第一に考えて価格やプランの設定を行いました。こんな歪んだ市場に健全な競争を期待するのは無理です。実質0円廃止後の各キャリア同士の「密告合戦」は見苦しいものがありました。
総務省の責任はどこに
今の携帯通信市場の競争環境を決定付けたのが、iPhone5発売直後のLTE周波数獲得を目的にしたソフトバンクによるイー・アクセス買収でした。まがりなりにも4社あった携帯通信キャリアが大手3社に集約され、これにより殆ど競争の起こらない市場になってしまいました。その買収を認めた総務省に「値下げ要請」なんて言い出す資格はありません。
大臣は笑っている場合ではない |
それだけでなく、前述の実質0円の廃止やMNP制度の設計ミスも総務省の責任となる部分が多くあります。そうした部分をの責任を曖昧にしたまま市場に介入し続ける総務省は全く携帯通信市場・業界・ユーザーのためになっていないと考えます。
ただ、こうなってしまった以上、総務省にはMVNOが価格と通信品質の両面で消費者の利益となるよう、本気でサポートして業界の競争を健全なものに導いてもらわないといけません。それが総務省の罪滅ぼしの唯一の方法でしょう。