今日の午前の外国為替市場で円相場はさらに円高方向に進んでいます。午前11時時点で107円台後半で推移しており、一時期に比べて10%以上の円高水準になっています。そこで気になるのがApple製品の価格です。値下げはあるのでしょうか。
値上げは迅速に行われた
2014年から2015年にかけて急速に円安が進んだ際、Appleは2度にわたってSIMフリー版のiPhone6を値上げしました。1回目の値上げは115円近辺、2回目の値上げは120円付近で実施されましたが、すでに現在の為替水準は当時を上回る円高状態です。
またノルウェーでは昨日、同国の通貨が安くなったため、App Storeの価格が引き上げられました。日本でもここ数年の円安傾向の影響でアプリの最低価格が85円、100円、120円と続けて引き上げられています。値上げに関してAppleは迅速に行う印象です。
iPhoneの在庫評価や中古相場にも影響
仮に今販売されているiPhone6sやiPhone SEが値下げされた場合、小売店(販売代理店)が在庫として抱えている商品の価値が下がります。そうなれば小売店は会計上の損失を計上する必要に迫られるでしょう。
また中古買取店では旧価格を基準にして買い取った商品を、新価格よりも安い水準で販売する必要があります。値下げ幅にもよりますが、逆鞘が発生する可能性もあります。
またApp Storeでのアプリ販売価格を下げればディベロッパーが受け取る収益は大幅に下がります。値下がりした分を購入回数の増加で補えばいいのかもしれませんが、なかなかそうはうまくいきません。値下げは消費者には嬉しいかもしれませんが、事業者にとっては難しい問題です。
このまま円高が続けば、確実にiPhoneをはじめとしたApple製品やApp Storeで販売されるアプリは値下げへと向かうことになりそうです。しかし、値下げが行われた場合の影響は大きいことから、Appleは慎重になっていると考えられます。