その後ソフトバンクは、スプリントと合併させることを前提にT-Mobile USの買収交渉を進めてきましたが、規制当局からの反対に直面して買収を見送る決断を下しています。ソフトバンクは買収を見送るとしたものの、投資家の一部は環境が変われば合併もあり得ると考えていたフシもあり、いずれはスプリントが3強の一角になる可能性も想定されていました。
まだ詳細は詰めきれていないようで事態は流動的ですが、もしディッシュとの買収交渉が合意に達することがあれば、ソフトバンクの米国事業はスプリント単独での業績回復に専念する必要が出てくるでしょう。すでに単独での事業再建を目指す公言しているソフトバンクでしたが道は険しく、スプリントは未だに赤字体質から抜け出せていません。そのため、この状況を解決する飛び道具としてT-Mobile買収が期待されていたのは事実です。
報道により期待が裏切られたのか、このニュースが伝わった直後から東京市場ではソフトバンク株は売られています。投資家もアメリカでの事業展開の先行きに不安を感じているのかもしれません。ちなみにサービス面でもiPhone6/6 Plus発売時に「アメリカ放題」が発表されて以降、目立った買収のシナジー効果は現れていません。あまり上手くいっていない印象は拭えません。