一昨日のSIMフリーiPhone6/6 Plusの販売停止は大きな話題になっています。Apple側からのコメントが出ないものの、販売停止が長く続きそう(業界に詳しい関係者談)なことから「値上げの準備」「在庫調整」など当初の見方は大方否定さつつあります。
では販売停止は何を意味するのでしょうか。
僕は通信ネットワーク関連の動きと密接に関連していると予想します。SIMフリー版はどこのキャリアのSIMを刺しても使える反面、キャリアごとに異なるネットワークの特性に合わせた細かな所作をフォローするのは苦手な部分もあります。
もちろんキャリアの細かな設定はプロファイルで対応しており、またiPhoneに合わせたネットワークを整備していることもあり、現時点で各社のSIMを差し替えながら使うことに問題は起きていません(一部MVNOのSIM利用を除く)。
ここからは仮説ですが、このような汎用性が日本国内で近々なくなってしまうのではないでしょうか。汎用性がなくなる以上、SIMフリー版の販売に意味がなくなってしまい、今回の販売停止に至ったとも考えられます。
iPhoneの汎用性を失わせる大きな変更は「VoLTE」でしょう。
SIMフリー版の販売停止とVoLTEの関係はTwitterでもつぶやかれている方もいましたが、確かにauのVoLTEは特殊です。今週末にも発売になるVoLTE対応端末は一切3Gでの通信を使いません。世界的にも珍しい(先進的な)方法でのVoLTE対応であり、iPhoneでこれを実現するにはOSレベルで対応が必要になる可能性もあります。
そのため一度auのSIMを入れる(VoLTEの設定を有効にする)とSIMを差し替えても他社のネットワークが使えなくなる可能性も排除できません。au以外のVoLTEもキャリア独自の設定が多くありそうで、それぞれOSレベルでの排他的な設定が必要な可能性も考えられなくもありません。
そうなるとSIMフリーのiPhone6/6 Plusに意味はなくなり、これ以上販売を続けることは「どこのキャリアのSIMでも使える」という期待を抱いて購入するユーザーを裏切ることにもなります。これは案外しっくりくる販売停止の理由ではないでしょうか。
なおiPhone5s(VoLTE非対応)のSIMフリー版の販売が続いていることも、iPhone6/6 Plus販売停止とVoLTEとの関連を示唆するものになります。またこのような複雑な設定がiPhone6/6 Plusが日本でVoLTEに対応していなかった原因なのかもしれません。近々動き(iOS8.2のリリース?)があることを期待します。