2014年12月26日金曜日

ドコモの1GB/3日制限撤廃は良い傾向 MVNOとの差別化にも繋がる


今日、Twitterのタイムラインで話題になっていたのがドコモのXiにおける1GB/3日制限の廃止です(FOMAは300万パケットの制限あり)。もともとドコモでは運用面でこの制限はあってないようなものでしたが、「注意書き」として制限を行う可能性が明記されていました。今回その注意書きが変更され「制限撤廃」となりました。

これは非常に良い方向だと思います。この制限が名実ともに廃止されたことで、ドコモの事業モデルは「たくさん使ってもらって、たくさん料金を払ってもらう」という通信企業が本来あるべき形に近づきます。これでエリアや速度、電波強度の改善、さらにはネットワークの安定性確保などへのインセンティブが生まれやすくなります。

一方で1GB/3日という時代遅れの制限を残すキャリアではユーザーが通信量を節約して使うため、「通信品質向上のための設備投資」が収益に直結しにくい状態が今後も続くでしょう。宣伝に使えそうな整備だけに注力する習慣も残っていくと考えられます。そのため制限を撤廃したキャリアに比べて通信品質向上が遅くなることは容易に想像できます。ドコモは先手を打ってきた印象です。


そしてもう一つ制限撤廃の理由がありそうです。最近はやりのMVNOです。MVNOは低料金で攻勢を強めていますが、その反面、通信速度や月間通信量、3日間の通信量に対して厳しい制限が存在します。そうしたMVNOとの差別化として制限撤廃があったのではないでしょうか。

運用面ではほとんど制限されていないものの、販売窓口で「月間○○GBまでなら、どれだけ通信しても速度制限はありません」と断言できるのと、できないのとでは大きな差になるでしょう。価格面で攻勢を強めるMVNOに対して、ドコモが品質面で対抗していく方針が見え隠れします。

ドコモに続いて他社も「注意書き」の撤廃で一歩踏み出してもらいたいところです。特にソフトバンクは運用面でも制限が厳しいことは有名です。せっかくソフトバンクはiPhoneで大きなシェアをもっているのに、その魅力を半減させる通信制限は見直されるべきでしょう。