2013年11月27日水曜日

LTEのスピード比較記事の読み方

iPhone5s/5cがdocomoからも発売されて、LTEのスピード比較が話題になることが多くなっています。僕もこのブログでスピードの話題にすることが多かったのですが、最近は少し飽きてきました。確かに通信スピードは速い方がいいのですが、計測する場所によってスピードは大きく異なります。住宅街でも数十メートルも歩けば状況は変わりますし、基地局が密集しているターミナル駅なんかでは数メートル移動するだけで通信状況が一変することも珍しくありません。

ただ数字で結果が見えるため、インターネットメディアでは記事にしやすく、また通信キャリアは他社との差別化を訴えやすくなり、スピード比較は頻繁に実施されています。最近でも「都内人気スポットではauが最速!」や「iPad Airの通信速度を山手線全駅で測定してみた! 速いのはソフトバンクかauか?」といった調査やネットメディアの記事が公表され、それぞれどこのキャリアが優位だったか、との結論を導いています。

ここからは、少し穿った見方になりますが、こういう記事にはスポンサーがいる(通信キャリアが調査費用を負担している)という話もあります。確かに何十ヵ所、時には二千ヵ所近い調査地点で何十回もスピードテストするのには多額の費用がかかります。その結果が全てインターネットで無料で閲覧できる場合が多く、自腹でやっているなら調査会社は何のために調査しているのかわりません。

前述のように通信環境は数メートルで変化することも多く、計測スポットの選定でどこかのキャリアを有利にすることは可能です。スポンサーの意向に沿ったスポットを選定することも可能です。全てがそうとは言いませんが、スピードテストの記事や調査を「キャリア同士の優位性の比較」に使うのには慎重になった方がいいと思います。

まったく同じ場所でもiPhoneの画面を上にして置く(左)か
下にして置く(右)かだけでこのくらいの差が出ます
ただ、同じ調査内で何百ヵ所、何千ヵ所と調査しているなら、キャリア内での得意不得意の比較には使えると思います。例えばソフトバンクが都心に強い、とか、auは地方でも速度が安定している、とかキャリア内での比較はある程度可能ではないかと思います。