ケータイがクーポンになったり飛行機に乗れたり、電車に乗れたり、電子マネーのお財布になったり。もちろんGPS機能が搭載されてナビサービスも簡単に使えました。それをようやくAppleが取り入れて、焼き直すとこうなる、ってことでしょうか。Appleがやればみんな期待し、既に国内で成功したケータイサービスを古臭く感じる、ちょっと不思議な気もします。
何が違うのでしょうか。
Appleには世界規模のサービス基盤の他、モバイル、タブレット、Macとディバイスを選ばずにサービスを提供できる環境が整っています。まさに2000年代のケータイと違うのはこの部分です。日本のサービスは国内に閉じていただけでなく、ケータイに閉じていました。これが今の閉塞感、出遅れ感に繋がってしまったことは間違いないでしょう。
iOSが各種サービスの提供プラットフォームでの役割を拡大していく過程で、Appleのライバル会社はGoogleだけでななるでしょう。国内ではリクルートやヤフー、楽天などがライバルとなりサービス合戦にしのぎを削ることになるのかもしれません。そのライバルとの競争を優位に、独自色を強めて進める上でGoogleとは距離を置き、ユーザー囲い込みの手段の一つとしてFacebookとの連携強化を図ったのではないでしょうか。
今後は携帯電話、デジタル機器の勝負ではなく、サービスの勝負になる、これもネット社会が常に通り続けている道ですが、それを再認識させられるWWDCの基調講演でした。
リクルートのDNA ―起業家精神とは何か | |
角川書店 |
おそらくリクルートはAppleとは正面でぶつからず、上手く取り込まれて業績を拡大していくのではないでしょうか。Yahoo!とリクルートの関係がAppleとリクルートの関係になっていく気もします。そう考えると、AppleはYahoo!JAPANとの競合へと進む可能性もあり、ソフトバンクグループは微妙な立場になるのではないでしょうか。