2016年2月1日月曜日

なぜauは上りの通信速度が遅いのか

ここ数日、Twitterでよく「auの上りが極端に遅い」といったツイートを見かけます。発端はドコモが発表した資料のようですが、auの上りが遅いのはよくスピードテストをする人の間では有名でした。


この原因は主に2つあります。

まずWiMAX2+の理論値の問題です。WiMAX2+は下りこそ最大220Mbpsを実現していますが、上りは理論値でも最大10Mbpsです。これでは実際にスピードテストをしても4〜6Mbpsで決して速い結果は出ません。

現在auのスマートフォンは都市部の多くの場所ではWiMAX2+を優先的に利用する設定になっています。そのためそうした地域で測定した場合、下りは80Mbps以上出ても上りは5Mbpsなんて結果が一般的です。

WiMAX2+のプロモーションも下りの速度がメイン

そしてもう一つの問題がBand1の上りで使える周波数の制約です。非常に技術的な問題なのですがauが利用するBand1の上りの周波数の近くにはPHSが利用する周波数があります。そこへの干渉を防止するため、auは下りほど自由に上りの周波数を使うことができません。

最新のiPhone6sの技適でも、auのBand1は下りで15MHz幅を使った場合「上りは5.4MHz幅」、下りで20MHz幅を使った場合「上りは4.32MHz幅」の利用しか証認されていません。これで下りで最大112.5Mbps、150Mbpsを実現しても、上りの理論値は最大でも10Mbps程度に抑えられてしまいます。


結果としてauの上りの理論値はBand18を使った場合の25Mbpsが最大値となり、Band1の場合でも10〜25Mbps、WiMAX2+を使った場合は10Mbpsとなります。ちなみに他社は上りの理論値は最大で37.5Mbps〜50Mbpsとなっており、この違いが顕著に実効速度の差に表れたのだと思います。