2016年2月19日金曜日

対岸の火事なのか?Appleのロック解除拒否問題

AppleはFBIからiPhoneのロック解除要請だけでなく、裁判所からの解除命令も拒絶しています。Appleはこの拒絶について、一台の例外が将来のユーザーの安全を脅かす可能性があると理由を示しています。僕はAppleユーザー、Appleファンとしては「英断」だと思います。しかしことは単純ではありません。遠くの国で起きているから単純に英断だと思えているだけかもしれません。


もしこれが日本で起きていれば?と考えてしまいます。多くの人が犠牲になった事件の共犯者を探すため、犯人のiPhoneの中を見たい警察。それを拒否するApple。おそらくワイドショーの格好のネタになり、遺族の悲しみとAppleの事務的な表明を流してコメンテーターが「遺族感情を考えれば…、第二第三の事件を防げなかった責任は…」と扇情的なコメントを出すのでしょう。

世論はAppleに対して強い反感を抱くと思います。国内メーカーなら特に疑問の余地なく捜査に協力するでしょう。しかし今のスマートフォンは国内メーカーだけではありません。近い将来、同様の問題がApple以外の企業でも起こるかもしれません。

現在アメリカではAppleの意見を支持する人が多く現れています。TwitterやFacebookは企業としてAppleの方針を支持しています。この問題をアメリカが強い意志を持って解決すれば、仮に日本で同様の問題が起きた時でも、人々は冷静に対処できるかもしれません。他人任せではありますが、アメリカでの徹底的な議論と問題の解決を望みます。

日本の最高裁判所

そもそも日本で裁判所の命令を拒否するという選択肢が企業に与えられているのか、そこも疑問ではあります。国家と企業の概念も日本人とアメリカ人では違うのでしょう。今回の騒動はそうした深い部分が見え隠れするところも興味深いところです。