2012年5月2日水曜日

なぜ日本のキャリアはiPhoneの販売台数を公表しないのか

ソフトバンク、KDDIの2キャリアがiPhoneを取り扱い始めて半年が経ちました。2012年3月期決算の発表も終わり、各社今期後半に予定されているiPhone5(新しいiPhone)発売に向けて準備に入っているのでしょう。しかし疑問なことが一つあります。なぜiPhoneの販売台数は公表されないのでしょうか。

アメリカのキャリアは期中にアクティベート(利用開始)されたiPhoneの台数を公表しています。例えばAT&Tは2011年10月から12月で760万台、2012年1月から3月で430万台のiPhoneが契約されたと発表しています。

一方で、KDDIはiPhone4Sの契約台数について、多い週でスマートフォン全体の4割、という非常に抽象的な表現にとどまっています。なおKDDIの2011年10月から2012年3月までのスマートフォン販売台数は372万台なので、iPhone4Sは多くて148.8万台、妥当なラインで120万台程度の販売があったのだろう、と推計できます。しかしソフトバンクはヒントになるような数字も発表しません。iPhone4SとiPhone4ユーザーが「百万代の後ろのほう」という表現をしたことはありますが、具体的な数字や売上に言及したことはありません。

何故でしょうか、Appleとの契約の中に販売台数に言及しない、という条項でも入っているのでしょうか。しかしそれならAT&Tも発表しなさそうなもので、またApple自身も決算発表で販売台数を発表していて、秘密にする必要性が感じられません。2社が隠すには理由があるのでしょう。

考えられる理由は他の携帯電話メーカーとの関係、他の経営指標との整合性など複雑なものになっていると考えられます。