2012年3月14日水曜日

iPadゼロから定額、誰が得をするのか?

少し前から気になっていたキャンペーンがあります。表題にもあるとおり、ソフトバンクが実施しているiPadゼロから定額キャンペーンです。要点は、同社のiPhone契約者は最初の2年間iPad4G(16G)モデルを月2,390円~5,785円で使える、というものです。2年後からは4,290円~7,685円ですが、この頃には機種代金の割賦販売も終わっていて契約自体を解約するのがベストなのでそれほど気にする必要はありません。

ただ、問題点は2年後に解約が必要な契約の煩雑さではありません。最大の問題は料金体系と4GモデルのiPadが目指すものの矛盾です。月間通信料が111.5MBに達した段階で最大の料金に張り付く料金体系は利用者に「通信を極端に節約する」ことを強いるものです。出先でのWebブラウジングやSNSの利用、写真、動画添付のメールのやり取り、掲示板の閲覧、MAPの利用、アプリのダウンロード、Newsstandの利用などが重なれば、あっという間に115MBに達します。

毎日iPadを使うという人なら、家でwi-fi、外で4G(3G)と使い分けていても1週間もあれば達する量です。また月に1度くらい、旅行やドライブのときに使う程度、という人でも地図アプリの使用や車内での観光地検索をすると115MBを超えかねません。結局、ゼロから定額で購入したiPadは「モバイルデータ通信OFF」で使わなくてはいけない羽目になってしまう、本末転倒なプランなのです。

さらに矛盾しているのがiPhoneとのセット契約という部分です。iPhoneは実質的に使い放題プランになっているので、外ではiPhoneを使って通信料を節約して、家ではiPadのwi-fi通信を使って通信量を節約することになるわけです。ってことは4Gモデルでなくwi-fiモデルでいいのです。2年間で支払う総額もwi-fiモデルのほうが安くなります。またwi-fiモデルでもApple Storeで買えば、ソフトバンクのwi-fiスポット2年間無料券も付いてきます。それでも、どうしても外でも使いたいなら4Gモデルの通常プランを契約するのがベストです。

何でこんなプランを出しているのか、かなり疑問ですが色々な競争の中で生まれた特異プランという理解です。本音を言えば、もう少し利用者目線のキャンペーンをして欲しいです。