2016年1月14日木曜日

ソフトバンクが買収したスプリント、どうも様子がおかしい

ソフトバンクは2013年に約1.8兆円で米国第3位の携帯電話通信会社スプリントを買収しました。その後の株式追加取得を含めると約2兆円をつぎ込み、ソフトバンクは米国で大勝負を打っています。


当初、孫社長はiPhoneなどの人気スマートフォンの大量調達、基地局設備などの調達経費削減、通信技術ノウハウの共有などを活かして経営状態の悪いスプリントをV字回復と意気込んでいました。

また携帯端末流通会社ブライトスターの買収し、シリコンバレーの近傍に巨大な拠点施設を借りて一気に米国進出か?とも言われ当時のソフトバンクの勢いを象徴していました。このころの株価は9ドル台の後半まで上昇し、米国進出は順風満帆とみられていました。


しかしその後T-Mobile USの買収工作失敗でスプリントの株価は大幅に値下がりし、業績回復も進まず、米国の拠点を閉鎖するなど再建が順調に進んでいない事が露呈していまいます。

2015年の後半にはソフトバンクによる資金調達会社設立などの支援を背景に幾分株価は回復していたのですが、13日のニューヨーク市場で再びスプリントの株価は急落し、買収以降の最安値(3.05ドル)をつけています(終値は3.10ドル)。


1年前の2015年度第3四半期決算の発表時、風邪気味で元気のなかった孫社長はスプリントの再建は暗く長いトンネルと表現しました。その後、遠くに明かりが見えた、再建の道筋が見えたと強気の発言もしていましたが、現在はその発言時よりも株価は下落しています。

仮にこの水準でスプリントの株価が推移する、もしくはさらに下落すれば、ソフトバンクは米国事業に関してかなり厳しい選択を迫られることになりそうです。